第一幕登場人物 大石兵六、平田五助、大川隼之助、大久保彦三、柳の下どじょうの助
栗の下イガヨン、丹古山修左エ門、桃井、栗山、他、二才中大勢

第一幕 村の二才中(若者)に、二才中頭の五助が招集をかけた。
五助は薩摩琵琶の練習をしながら集まってくるのを待った。
二才中が三々五々広場に集まってくるも最後に遅れて大石兵六がやってくる。一番若造のくせに遅いと五助が叱る。兵六は遅刻した言い訳をクドクドとする。
五助は集まった頃合いをみて参加者に到着順に一人ずつ自己紹介を促す。自己紹介が終わったころ、二才中(副)頭の大川隼之助が、五助に最近何か面白い話は無いかと聞くと、すると五助が吉野の原の中ほどに、狐・狸など異形類の化け物が往来の人をたぶらかし、坊主にするという話があるという。
そこで、隼之助は、だれか狐退治に行くものは居ないかと聞くと、すかさず五助が、自分が退治に行こうというから、参加していた山伏が占いを立てると申し出た。
占うと凶が出てしまい五助は行くのを止めにする。
困った大川が、他に行くものは誰かいないかと聞くと兵六が、化け物退治に行くという、自分は大石内蔵助の子孫だ、先祖の武勇伝と同じく必ず退治して見せると見えを切る。
参加者から、そうかそれならやってみろ、打ち取ったら村中でごちそうしてやると約束する。が、もし、失敗したらどうするかと尋ねられると、自分の生首を差し出すと言ったので全員承知する。山伏から御守りを貰って退治に出かける。

第二幕登場人物 狐が化けた(爺さん、鬼人、蟹、和尚、小僧、姉娘、妹娘、庄屋、家来)

第二幕 悠々と吉野に向かうが、あたりは日が暮れてきた。いよいよ狐の出るという吉野の原っぱの中ほどにくると、狐が化けた妖怪奇人が怪しくまとわりついてくるので捕まえたところ、爺さんに化けた狐が言葉巧みに兵六を騙し、捕まえた狐を逃がしてしまう。
とぼとぼと歩いていくと今度は、狐が大きな蟹に化けて足を挟むが刀で退治しようとするも逃げられる。
暫く行くと雨も降っていないのに傘を差しながら姉妹が出てきて兵六をたぶらかさすが兵六はついに化けた狐を捕まえる。娘に助けてと懇願されるが許さないというと、また、爺さんに化けた狐に言葉巧みにだまされて逃がしてしまう。
そこに家来をつれた庄屋の家来が出てきて今度は兵六が捕まってしまい縄で縛られる。
そこに和尚と小僧が傘をさしてピョンピョン跳ねながら現れる。和尚がその捕まえた罪人を私にくれというので、兵六は和尚の囚われ物なってしまう。
小僧が和尚に兵六をどうしましょうかと尋ねると、頭を坊主にしろと言われてて、頭をそり上げてしまい坊主頭にされるが、ふと我に返った兵六はお地蔵さんに化けた狐を見破り見事狐を生け捕って、二才中仲間の元へ帰っていく。

第三幕登場人物 大石兵六、平田五助、大川隼之助、大久保彦三、柳の下どじょうの助
栗の下イガヨン、丹古山修左エ門、桃井、栗山、他、二才中大勢

第三幕 坊主頭にされた兵六は、道端に立っている怪しい地蔵を狐が化けた地蔵と見抜き挌闘の末ようやく2匹捕らえることができた。
意気揚々と二才中の待つところへ帰り着き、ことの成り行きを話すが、二才中仲間は坊主頭を見てからかう。
結局この「賭け事」、兵六は狐を退治し2匹の古狐を捕まえて来たものの、坊主頭にされたので引き分けとなった。
そうこうしている内に五助は、夜が明けて来た頃合いを見計らって朝食に皆を誘った。兵六に促された二才十達は即興で唄を歌いながら引き上げて行く。

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